夫婦ごっこ

せり出したお腹と　男女の告知を必死に我慢して
出産の日が近づいていた。


恒くんからは予定日の一週間前から
メールが頻繁に来るようになった。

「なんかあったらちゃんと連絡するからね。」

そう言っているのに心配でたまらない様子。
父親学級にも積極的に参加した。


恒くんが・・・・って信じられなかったけど
出産のﾋﾞﾃﾞｵを見ながら号泣してる姿に
なんだか前さんとかぶっちゃって吹き出した。

この間　千鶴さんから赤ちゃんの写真付きハガキが
届いて　前さんの奮闘ぶりを恒くんが　横やり入れてたけど

なんだか恒くんの方がすごいかもって
思っちゃって…それにこの号泣。

「紅波一人で闘わせないからな。」
立ち会い分娩するってきかない。

会社には何を言われても絶対抜けさせてほしいと
届けている様子で

私の連絡を心待ちにしていた。


その日も普通に起きて　お弁当を作っていた。

「おはよ～。」
の声と同時に歯磨きをササッと済ませる恒くんは
私との朝のキスのために
起きたらすぐに歯を磨く習慣がついて…
歯ブラシの音がするとすっごくおかしくて…嬉しい。


キッチンに立ってる私を
後から抱きしめてからかうように顔中にキスをする。

「子供が大きくなったらイヤがるんじゃない？
パパ変態かって～～。」

「んじゃ　隠れてすればいいよ。」

朝のキスも濃厚～～～。