夫婦ごっこ
恒くんまでいきんでて その顔を見てると力が抜けた。

「ご主人~~ご主人はいいですからね~~。」

助産婦さんが笑う。

恒くんのいろんな表情が
私を楽しませてくれる。

激痛だけど 恒くんが見守ってくれる
そしてもうすぐ愛のキューピットをこの手で
抱けるんだって……。
そう考えたら力が湧いてきた。

「うん 上手ですよ~~大浦さん~
今度は一緒に思いっきりいきんでみましょうね~~。
せ~~の~~で~~~」


「う~~~~~~~~~。」

顔がきっと真っ赤っかになってる。
恒くんも眉間に深いしわを寄せて うなっている。


「がんばれ がんばれ もう少し~~」

リズムと陣痛がいい感じでコラボしてきた。

「頭 出ますよ。御主人来てください~~。」

今度は医師の声がした。


「最後 いきんで~~~はい とめて~~~
はぁ・・・はぁ・・・」


「ウンギャ~~~~ァァ~~」

大きな元気な泣き声と 恒くんの

「出た・・・。」って声を聞いていた。

「元気一杯の男の子ですよ~~。」

私は涙でベイビーの顔が見えないくらいだった。
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