日常的幸福論~もうひとつの話~





「えっとね、間宮飛鳥。あたしの旦那さんだよ?」



「ダンナ?」




旦那の意味がわからなかったのか聞き直すレオ。



カレーライスとビールをリビングまで運び、既にカレーライスを食べはじめているレオの目の前に座った。



「ん~っとね、わかりやすく言うと……あっ、ラブ?パートナー?」



「パートナー……サエ!ケッコンしたの!?」



レオはサラダを対面式のキッチンで盛り付けている沙依を目を見開いて驚いた。




「そうだよ。今は飯沼沙依じゃなくて、間宮沙依になったの」



「ウソだっ!サエはボクとケッコンするって決めてたんだ!!」



レオは俺をギロリと睨んできたけど気にせずカレーライスを一口食べた。



旨い、けど甘い。



「サエ!ボクとケッコンしようよ!!」



「あたしはもう飛鳥お兄ちゃんと結婚してるから無理だよ」



沙依はシーザーサラダとクラムチャウダーを人数分お盆に置いて俺の隣に座った。



沙依が俺の隣に座ったことに少しムッとしている。



子ども相手に大人げないけど、ざまあみろ。
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