日常的幸福論~もうひとつの話~






レオはうつむいていたけど涙を目にためて勢いよく顔をあげた。



「アスカッ!サエはボクとケッコンするんだよ!!」




子どもは嫌いじゃないけど、どう接していいかわからないから困ってしまう。





「あたしはもう飛鳥お兄ちゃんと結婚してるからレオとは結婚できないよ」



沙依はクスクス笑いながらレオを宥めているけど、ますます不機嫌になるレオ。




ついにカレーがまだ入っているお皿に乱暴にスプーンを置いてそっぽを向いてしまった。



「レオ……?どうしたの?カレーもう食べないの?」




「……イラナイ。食べたくナイ」




沙依は少し眉を下げて、食べ残しにされているカレーとまだ食べてもいないクラムチャウダーを片付けはじめようとした。



「食べたくなったら言ってね。まだいっぱいあるから」



「………」



すっかりイジけて返事すら返さないレオ。



「レオ、食べろ」



「……は?」



レオは眉間に皺を寄せた。
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