【完】キミがいた夏〜Four years later〜




「来てはみたものの…」



私はお店の前でそう呟くと、扉に背中をつけて小さなため息をついていた



まだ開いていないなんて当たり前だ


気持ちばかり焦って来たけれど…私って何やってるんだろう…



「美鈴の住んでるとこも知らないし…」



そんなことを更に呟きながら、少しの間どうするかを思案していた



待ち伏せするにしたって、夕方までまだまだ時間があるし…



ブラブラするにも、ここらは飲み屋ばかりであまり見るところもない



あまり遠くに行きすぎても帰ってくるのに時間がかかるし…



そこらのカフェにでも入って時間を潰してからもう一度来ようかな…



そう考えがまとまりかけた時




「綾香…?」



そんな聞き覚えのある声が聞こえて顔を上げた




「…嘘…」




神様は私にチャンスをくれているのかもしれない



そうじゃないと、こんなこと起こるわけないじゃない




目の前には美鈴が立っていたから




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