【完】キミがいた夏〜Four years later〜



お昼も取らずに出てきた私とお昼を買いに出掛けようとしていた美鈴は、美鈴がよく利用するという近くのカフェに場所を移動していた



お店の中はランチ時ということもあって込み合ってはいたものの、お店の雰囲気自体は静かでなかなか居心地がよかった



「あのビルの上がマンションになってて、そこで住んでるの」


「そーなんだ…それで」



それにしても、ちょうどタイミングよく出てくるなんてついてる…



私は目の前に座る美鈴を改めて見つめると、それに気づいた美鈴もニコリと笑い返してくれた



それは4年前と変わりのない笑顔で何だか嬉しくなるけど、久しぶり過ぎて少し照れ臭い



そんな気持ちを悟られたくなくて、美鈴が持っていたフリルの付いたカバンに話題を移した



「それ、かわいいカバンだね」


「あ、これ?これはポーチもお揃いになってるんだよぉ~」



カバンの中からパッとポーチを取り出して見せてくれる



「へぇ~ホントだかわいい!私も買おうかなぁ~」



こんな他愛のない話しもとても懐かしい



小、中、高と毎日一緒に学校に行って、毎日顔を付き合わせていた親友



突然いなくなったあの日から、胸にポッカリ穴が空いてしまったのは何も渚だけではない





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