ひきこもり女学生の脳内断面図










それからというもの、あの時の先生の顔がなぜか頭から離れなくなった。

















どうしてだろう。そう自問する日々が続き・・・












いつしか私の中の加藤先生の印象は、大きく変わり始めた。












その人の顔が頭から離れなくなるということは、恋の初期症状だったのかもしれない。













そしてその日を境に、私は無性に火曜日と木曜日を楽しみにしている自分に気付いた。











授業中に先生が話をするたびに、笑いかけるたびに、ドキドキしてる自分の胸に気づいた。













雑誌でに載ってるお洋服を見たりするたびに、お化粧の特集を見るたびに、ちょっとでも可愛くなろうかなとか思っている自分に気づいた。













先生に関わることを考えるたびに、幸せな気分になってる自分に気づいた。













顔が熱くなるたびに、今日はどんなネクタイだろうって思うたびに、予備校への電車に乗るたびに、先生との時間を重ねるたびに、芽生える気持ち。











もしかしてこういうのが「恋」というものなのか。














私はある日突然、やっと自分の恋心に気づいた。春川秋に、ようやく春が訪れた感動的な瞬間であった。相手は中年であり、単純ことがきっかけだったのだが。





















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