ひきこもり女学生の脳内断面図
「あ、そう言えば今日、14日だったよね・・・」
そうつぶやいた先生は、がさがさと鞄の中を探っている。
そうして何かを取り出したかと思うと、その右手を私の前に差し出して言った。
「はい、ホワイトデーのお返し。春川さんのチョコね、びっくりするくらいおいしかった」
「ほ・・・ほんとですか」
「うんうん、そういうわけでね。コレ」
「わあああ!ありがとうございます」
嬉しいおほめの言葉に、ほんのり顔が赤くなった私。
再び先生と目を合わせた私は、そーっと先生の手から包みを受け取った。
辺りが暗くて先生が何をくれたのかよくわからないまま、私は包みをリュックにしまった。
こんなシチュエーションでお返しを受け取れるなんて、恋というのは何が何だか予測不能だ。