ひきこもり女学生の脳内断面図
「でも・・・もらっちゃっていいの?大切なペンだったんでしょ」
眉をひそめた私がそう言うと、
「いいんだよ。お前そろそろ受験だろ。遠慮しないで使え」
いかにも凛々しい返事が返ってきた。おかしなところで紳士的である。
この雰囲気には逆らえない、と思った私は「ありがとう」とありがたく受け取った。
例のペンは改めて見るとホワイトデーだからか、ピンク色のリボンがくるくると巻いてある。
「ひひひっ」と笑った私はあえて黙って、そのままペンをリュックに突っ込んだ。
そして話を戻すように、冷静になったジローの緊張気味の声が響く。
「それで・・・あの、例の返事はゆっくり考えてからでいいから。加藤先生もいなくなったばかりだし」
ジローは私に考える時間をくれたみたいだったが、私の答えはもう決まっていた。
「ううん、今返事したいから・・・聞いてもらっていい?」
「お、おう」
悪魔の浪人生だろうと善良な学生であろうと、告白の返事を受けるのには相当緊張するようだ。
笑顔を交えた私の心の中に、もう迷いはなかった。