ひきこもり女学生の脳内断面図
「なに、加藤先生の名前が拓人?どんな面下げて拓人だよ、バカジジィ」
「・・・」
風呂上がりの私を待っていたのは、お母さんの容赦ない罵声だった。隣で笑ってるお姉ちゃんも含め、この二人は手ごわい。
一応お姉ちゃんも昔加藤先生の生徒で、先生のことをよく知っているのだ。
おびただしい長さの髪の毛をバスタオルでかき上げた私は、気付かれないように二人のことを恨めしそうに睨む。
私はそれとなくそれとなく、今日の出来事を伝えただけだったのだが。さっそく母の罵声が一番に飛び込んできた。
わが母と言えど、許しがたい発言に私はぐっと拳をこらえる。
「マジかよ、あのカエル。似合わないにもほどがあんだろ。カエル以外の生物に見えねえよアイツは」
手加減(私の恋心も)を知らないお姉ちゃんの、いつも通りのバイオレントな発言。
こんなやり取りはいつだってこの家のお約束だったため、慣れてはいるがしかし。
ターゲットが私の好きな人である以上、私にとっては拷問の時間なのだ。