優しい嘘つき
放課後になり、裏庭へ向かうともう誠が来ていた。

「ごめん!待った?」

「大丈夫だよ、そんなに待ってない」

そう言うと笑みを浮かべた。

「で、話って?」

あたしが問いかけると、誠が息をはきだした。

「あのさ…付き合って欲しい」

「いいよ!次はどこ行く?」

「違う、俺と…付き合って欲しいんだ」

「…え?」

今の状況が全く読めないあたしに誠は話を続ける。

「俺、前から唯衣のこと好きだったんだ。一緒にいたり、話したりしてるうちにどんどん好きになっててさ」

知らなかった誠の思いに戸惑いを隠せない。

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