美加、時空を越えて
何回も自分に問いかけてきた質問を自分に問いかけた。

あれは、私か?
本当に私なのか?

何かの間違いではないのか?

私の中にあんな残忍さがあったのだろうか?
何も考えたくなく何も見たくなかった。
螺旋……。いつも同じ問いをして、同じ答えに行き着く。
もうそろそろ否定するのではなく、事実は事実として受け止めるしかない。

学者さんの手紙にもあった。
「受け止めろ」と。
学者さんはよく言っていた。
物事はまず受け止めなければ駄目だ。
まず受け入れるんだ。
自分の責任として受け入れるんだ。

本当に受け入れた時、初めて物事を変えることが出来る。
受け入れてから怒りたければ怒ればいい。
泣きたければ泣けばいい。
笑いたければ笑うんだ。
それも思いっきりするんだ。

そうすれば、何でも変える事が出来る。
次にどうするかを決める自由が君にある。

同士よ、と。

確かに今も武将の心が見えた。
楽しみながら人を殺していた武将が……。

戦国時代最も恐れられていた武将だった。
裏切り者と見ると誰かれかまわず殺した。
人を人とも思わない……。
……。不意に疲れが押し寄せてきた。


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