美加、時空を越えて
「この天と地の間には、おまえの哲学が、夢見る以上のものがあるのだ」
というハムレットの一節が美加の頭を過ぎった。

そう。学者さんが好きな一節。
いつもよれよれの白衣で、黒板に向って数式を書いていた。
ぶつぶつと何かを呟きながら……。
学者さんの研究室には 壁一面白いチャ-トが、貼ってあった。

184センチと長身で、皆が20歳代なのに、学者さんは50歳にしていた。
だから何処にいても目立っていた。
いつも寝癖で髪の毛の後ろが跳ねていたっけ。
眼鏡を掛けていて、いかにも学者っていう感じで。

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