私のスーパーマン

この子の名前は橋本佳奈ちゃん。
この子は小さな橋本仲間である。

私がバレーの橋本選手を好きな事はなぜかみんなに知れ渡っていた。


佳奈ちゃんのお母さんは仕事が終わるのが結構遅いため、こうして毎日最後になるのだが、待っている時間は橋本選手の話をするのだ。


「かなね、今日先生に秘密を教えてあげる!」

と、佳奈ちゃんはかわいく言った。

「え~、なになに?
どんな秘密なの?」

私はわくわくして聞いてみた。

「それはねー「友梨先生ー!
佳奈ちゃんのお迎えが来ましたよ!」

「あ~!先生、いこ!」

私の手を佳奈ちゃんの小さな手が引っ張り、一緒に走り出した。
そして私達は外に出ると、信じられない光景が目に入った。


「…え?」

そこには…

「は、橋本選手!?」

私は混乱していた。
橋本佳奈…橋本!?
え、結婚してないよね?

「あ、一応はじめまして。
佳奈の叔父…です、嫌ですけど。」

叔父なんて響き、一気に年をとったみたいだ、なんて拗ねた姿が可愛い。

「えへへ~
これがかなの秘密!
祐樹くん、友梨先生だよ!」

佳奈ちゃん…この秘密大きすぎるよ。
えっへんと言わんばかりに、佳奈ちゃんが胸をはる。

「あ、あぁ。
あの…、月1くらいに僕のチームの試合に来てくれてますよね?」

「え…?
覚えてくれているんですか?」

私は衝撃を受けた。
ああ、もう嬉しくて死んでしまいそうだ。

「もちろん!
それに遥とも知り合いですよね?」

「は、はい。
親友が友達?なんです。」

友達でいいですかね?

「ああ!もしかして早紀ちゃん?」

「そうです!」

早紀の事を知っているのは当たり前だと思うが、なぜか胸が痛む。


< 10 / 19 >

この作品をシェア

pagetop