穢れなき雪の下で
「もしもし」

あえて、そんな風に電話に出るのは相手の反応を見るためだ。

「久しぶり。
 なぁ、お前、今でも彼女と連絡とってる?」

克己はまったく余裕がない様子で、俺の返事もあまり聞かずに、一方的にべらべらとまくしたてた。


――少し早いクリスマスに、自分が何を見たのか、を――



電話を切った俺は、思いがけず短くなっていた煙草を強く灰皿にねじ込んだ。
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