カテキョにぞっこん!

私は繋いでいた手を振払った。



閉じた携帯で光はなくなったけど、もう部屋を見渡すこともそれほど難しくない。

不思議な表情をする陽サマの顔だって、ちゃんと確認できる。





「……由利さん」




手を繋ぐことだって、大人な陽サマにはどうってことなくて。


私だけがパニックで……



ずっと冷静な陽サマには、そんなことで腹を立ててる今の私の顔だって

全然可愛くも見えてないでしょ。






「……っ、先生知ってるんでしょ。……うっ…わかって…るでしょ。それなのに……どうして気付かないふりするのっ!!」




言い出したら、もう止まらなくて




「私は先生が好きなのっ!気持ち消そうと思ったけどできなかったんだもん……無理って分かってるけど、でも……ちゃんと聞いてくれたっていいじゃんっ!!」




シクシク泣いてたかと思ったら、すでに大泣き状態で……




やだな……こんなだだっ子。




「うわぁ〜ん……」




結局、雷を怖がるなんかよりも最悪で。子供臭いとこばっかり見せて。



陽サマの優しさを分かってるつもりだったのに、自分の気持ちの抑えがきかなくなったら、最後はやりたい放題で陽サマを困らせて……。



もっと大人だったら良かった……





「……っく…大人になるから……今よりずっと、大人っぽくなるから……」




だから私を
家庭教師の教え子なんかじゃなくて


一人の女の子としてちゃんと見て欲しい……




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