花火の日
 近くのバス停から、駅まで約20分。

 乗り込むと、バスのなかは空席ばかり。出口に近い席を選んだ。

 到着までの間、少しうとうとしながら、外の景色に目をやる。夢なかば、去年の記憶が頭をちらつき、離れない。

 
 あのときのたくやの声、表情、ひと時も忘れたことなどなかった。


  そして、あの言葉も。

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