花火の日
所思
 カーテンの隙間から差し込むまぶしい光が、みさこの目をかすめる。

 すぐに起きあがって、携帯の電源を入れた。メールは、入っていない。

 ベッドの上に携帯を放り投げて、身支度をする。帰るのを惜しまれながら、祖父母と朝食を食べた。

 「じゃあ、行くね」

 またここに戻るのはいつだろう。そのときはたくやと会わないのかもしれない。みさこは思いつめながら、実家をあとにした。

 
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