家族の時間
翔は冷えたお茶を一口飲んだ。
「あんたは、結婚式に着るのスーツを買ったの?」
麻子は翔に聞いた。
「兄貴と衛と啓悟と一緒に買いにいくよ。…父さんは燕尾服だろ?」
「そう、新調しないとはいらないのよ。」
麻子が言った。
「また、父さん太ったの?」
翔が言うと健太は慌てた。
「イヤー、新婦の父親だから…。」
「そんなに言わなくてもいいよ。」
翔が立ち上がった。
「それじゃあ、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
麻子と健太が翔に言った。
翔は二階に上がっていった。
「長い1日だったね。」
健太が言うと麻子はうなづいた。
「これで、一気に進んでいくだろ。」
健太は少し寂しくなった。
「健太さん。」
麻子は寂しそうに言った。
月あかりがきれいに部屋に入っていた。
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