恋は嘘から始まる。
その人は
適当に言った言葉かもしれないけど、
私は思い出してしまったんだ。
2年前の事を……
―2年前―
ヒラヒラ……
桜が舞う中、その桜と一緒に
白い紙が落ちてきた。
「えっ…桜?」
そこには隣にあった桜の木と同じぐらい
綺麗な桜が描かれている。
でもこれって……
「あっあの……」
「えっ?」
私が声をかけたのは
ある1人の男の子。
「……な、何?」
その男の子は
振り返るとすかさずこう聞いた。
何って…
「これ、落としてませんか…?」
「あー…本当だ。ありがとう」
彼はそう言って
歩いて行った。
私はその時、彼の事を好きになったんだ。
彼の……
汰功の笑顔がまた見たくなった。