恋は嘘から始まる。
「ちょ…おいっ!!大丈夫か?」
「えっ…あ……」
そう言われて
やっと我に返る事が出来た。
目の前には
さっきの男の人。
その人は黒髪で顔は結構整っていて
世間一般で言うイケメン。
「あ~びっくりした~」
男の人は「ふー」と
ため息をつきながらそう言った。
「あっ…あのすいません…」
多分、私、泣いちゃったんだと思う。
さっきのやり取りが
汰功と出会った時に少し似てて
思い出してしまったから……
「まー。俺は良いけど……」
「本当にすいませんでした……」
本当、私って馬鹿だよね……
何、初対面の人を前にして
号泣してんだよって話だよ。
高2にもなって……
恥ずかしい限りだ……
「いーよ。別に。」
「でも……」
この男の人……
言葉とは逆に
ちょっと怒ってない?
やっぱり私、
迷惑かけちゃったんじゃ……
「そんなに言うならお礼して?」