あくまで天使です。
そうベリアルに頼み、私は階段が抜け落ちるんじゃないかというほどの迅速に駆け上がっていった。
そのまま荒く自室のドアに鍵をかけ、水玉の掛け布団を頭にかぶった。夜中に起きだすのが怖くてなかなか決心できない幼子のようでみじめだったが、なりふり構っていられない。
約5分後、いやあいつだからちょうど5分後か。
ぴんぽーんと私を誘うインターホンが鳴らされた。
震えが激しくなる。掛け布団をさらに自分の背中に押し付け、隙間を埋めるように丸くなる。
下でベリアルと舌たらずな女の声がする。
きた。信じたくないけど奴がきた!
歯を食いしばり、この緊張状態を堅くする。