あくまで天使です。


「………じゃあなんて呼べば満足なのかしら?」


月緋の背後から黒いオーラがわきだっている。


目に見えるほどそのオーラは禍々しく怒りで満ちている。私はベリアルの裾を引っ張り、無言の訴えを起こしたが、ベリアルの表情は変わらない。


「ブラッハーでもバルトロマイでも好きなように呼べ」


「だったらベリアルさんでも」


「それ以上俺に言葉を重ねさせんな!」


急にベリアルの目つきが怖くなった。忌々しいとでも言うように手を震わせ、猛り立った剣幕で怒鳴る。


「………ごっごめんなさい」


さすがの月緋も素直に謝った。


< 129 / 625 >

この作品をシェア

pagetop