あくまで天使です。
「………じゃあなんて呼べば満足なのかしら?」
月緋の背後から黒いオーラがわきだっている。
目に見えるほどそのオーラは禍々しく怒りで満ちている。私はベリアルの裾を引っ張り、無言の訴えを起こしたが、ベリアルの表情は変わらない。
「ブラッハーでもバルトロマイでも好きなように呼べ」
「だったらベリアルさんでも」
「それ以上俺に言葉を重ねさせんな!」
急にベリアルの目つきが怖くなった。忌々しいとでも言うように手を震わせ、猛り立った剣幕で怒鳴る。
「………ごっごめんなさい」
さすがの月緋も素直に謝った。