あくまで天使です。


「いいや。まっそんなもんか」


「?」


「後ほど神に命を下されてな。『人間一人を幸せにするまで帰ってくるな』ってよ。ほぼ追放もんだぜ」


「ちょっと待ってよ。天使って人を幸せにするのが仕事なんじゃないの?」


反論すると、ちっちっちと人差し指を振られた。


「あめぇな。甘納豆よりあめぇよ糖分脳」


天使のくせしてなんでそんなマニアックな食べ物知ってんのよ!


そう内心でつっこむ。


「天使の仕事は確かに人を幸せにすることもある。だがまだまだ優先させなきゃいけねぇこともあんだよ。たとえば、悪魔と戦争したり」


「悪魔と戦争すんの!?」


がちゃんっとコップを机に叩きつけた。


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