あくまで天使です。


乱闘になり始めた三人からそっと離れ缶を握りしめる。


途中振り返ったらソウがこちらを凝視していたので柔和に微笑する。


そしてまたくるりっと踵を返し彼らに背を向けた。


「っ”姉貴”ー!」


大音量で呼ばれたので「なにー!?」と遠方から返事をする。


「また明日お迎えに上がりますので!そこんとこお願いします!」


ぴっしりと腰を折ったソウに、私はたまらない気持ちで笑い声をあげた。


「………かなわねぇなほんと」


誰に語りかけているか分からない口調で呟いたソウのため息は、ガクの楽しそうな挑発に埋れて姿を消した。




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