あくまで天使です。


私が屋上からの風景を堪能していると、背後から包みを開ける音がした。


ゆるい風に揺れる髪を押えながら振り返ってみると、すでにベリアルが私の弁当を奪取し、おかずの一つである卵焼きを指でつまんで口に放り投げていた。


「ちょっ!空気読んでよ!今、背景描写頑張ってるんだから!」


「は?何でおれがお前の空気を読まないといけねえんだ。つーかその一言で台無し」


にべもなく吐き、次々と卵焼きを口に運んで行くベリアル。


………って何で卵焼きばっかなんだよ!


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