あくまで天使です。


「これは私の兄貴よ」


兄?べリアルと私は月緋と兄たる青年を見比べた。


なるほど同族同士かと思ったが、同じ血を引き継ぐ二人だったのか。


「あのお兄さん」


「なんだい?」


恐る恐る手を挙げ、勇気を出して訊いてみる。


「一番楽しいと思える瞬間ってなんですか?」


「うーん。やっぱり絶対的有利に立っていた人間が絶望に染まって、懇願してくる時かな」


やっぱり月緋の兄だ。これで決まった。


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