あくまで天使です。


「しかしだ」


打ち消しを使い、アリエルが偉そうに腕を組んだ。


「貴様の心意気に惚れた。神に交渉してやろう。残り一日勘弁してくれ、と」


どこからかだしたハンカチを目に強く押し付け、アリエルは唇を舐めた。


「そっそれほんと?」


「天使は嘘をつかん。約束しよう」


すくりと優雅な仕草で立ち上がり、片方の眼だけでべリアルを見据えた。


「………やるべきことをやっておくのだな。馬鹿なりに」


そう言い放つともうこちらを向かず、足元から消えていった。


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