あくまで天使です。


アリエルが劇的に去った場所に散る白羽。


奇妙な雰囲気の中で、先に動いたのはべリアルだった。


「………今日は休む」


「え?何でよ?」


残された時間は少ないというのに悠長にしてられない!と片思いの私は思うのだが、べリアルはそうは思わないらしい。それにちょっと傷つく。


「………少し考えさせてくれねえか」


切なげに懇願されたら聞く以外の選択肢はすでになかった。


「分かった。けど明日は絶対私に付き合ってもらうわよ」


そう叫ぶと、べリアルはニヒルに喉の奥で音を立て部屋から出て行った。


残り後一日。


これですべてのものがなくなる。今日書いた詩の意味をかみしめるように味わった。



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