あくまで天使です。


「………お前に俺の何が分かるってんだよ」


小娘に説教されるような俺じゃねえ、と囁く。


次の瞬間、べリアルが俯いていた首をのばし、いつもの自信満々の表情で言い放ってきた。


「俺様はべリアルだ!てめぇに説教されるようなちゃっちい男じゃねえ!」


「そう!それでいいんだよ!」


自信にあふれた瞳がよみがえり、心から嬉しくなる。


「この世で一番信じれるのは自分だよ。その自分が信じられなくてダレを信じるの?」


「あー分かった分かった。てめぇの論理は聞きあきた」


湿っぽい空気を吹っ飛ばすようなべリアルの発言に、私は思わず笑ってしまった。


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