あくまで天使です。


「………あ?」


すぅと小さく息を吸い、緊張で暴れだした心臓を宥める。以外に効果があった。


「あんた、自分の名前で悩んでいたみたいだけど」


槍が胸に突き刺さったような痛い顔をされるとこっちがつらい。だけどね、と否定の言葉をあわててつけたす。


「そんなことぐらいでダレんなよらしくねぇ。あんたはあんただろ?」


そんなことで勝手に辛くなるなよ。あんたにはいいところがいっぱいあるんだからさ。恵まれた才能を持ってるんだから。


「胸を張れ。あんたはやれる!」


小さなことでつまずいたなら、すぐ立ち上がればいい。たとえそこに苦難しか待ってなくても、ふてぶてしく笑え。


「それがあんたでしょ!」


< 593 / 625 >

この作品をシェア

pagetop