あくまで天使です。


ため息をつき、ケータイを閉じる。


点滅する電柱の真下に立ち、空を仰ぐ。


まんまるの黄色い次がぽっかりと闇に穴をあけている。


こんな夜だったなあの日も………。


帰ったらあいつがいた日々を振り返り、鼻であしらった。


もういないんだから考えても仕方がない。


少し重くなった足を引きずって、私は歩き始めた。


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