あくまで天使です。


やがてスポーンとカブが地中から顔を出すように、翅の先端部分が出てきた。


私は体力を使い果たして、はぁはぁと息も絶え絶えにへたり込む。コンクリートがあったかい。


「こっこれでもう懲りたらそんな変なコスプレしないことね………」


顔を上げ、痛がっていた男を見た。


すると目の前で彼が


「………ちっ。俺の翅はデリケートなんだぞっ。何本かぶちぎれたじゃねぇか」


フワフワと気持ちよさそうに翅を広げ(右翼はちょっと汚れている)翅をはたいている。夜を舞う天使は街灯と月明かりに照らされ妖艶な輝きを放っている。


「おい!どうしてくれんd」


「っええええええ!?」


男の批判は、私の絶叫によりかき消された。




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