スターレディ物語
仕事を終えて、夜の飛行機で梼京(とうきょう)にとんぼ返り。


事務所と個人的なお土産もそこそこに、飛行機の中で、AQUASメンバーはそれぞれの世界に入っていた。


「朝、何があった?」


素の幼なじみである華が、素に聞いてきた。素は一瞬、表情が硬くなり、簡単に説明をした。


「ただ単に、懐かしいってだけだよ。お父さんと近い出身の人なんて、たくさんいるし」


華は唸った。


「まぁ……それだけなら、な」


華は、ポンポンと素の頭を撫でた。


「素は、泣いたっていいし。本当に、素直になればいいんだ」


素は軽く頷く。


「華……」


「ん?」


「コロッケ食べたい。お母さんの、コロッケ……」


華は頷いた。


「お母さんに頼んで持ってくるよ」
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