スターレディ物語
素は何度か頷いた。



そんな男性の事を片隅に置いて、素は新曲を片手に、作曲家桜苑涼充(さくらそのりょうじゅ)が事務所に来るのを見計らい、尋ねていた。


桜苑はスターファーストプロダクションの音楽(作曲)を統括していて、素は簡単に作曲の基礎を教えてもらったのだ。


桜苑は素から楽譜を受け取り、メロディーを聴くと、唸った。


「また個性的なリズムだね。六月合わせには丁度いいよ」


「ありがとうございます」


素は、カルピスを購入した。


「ただまぁ……麗はともかく。華が悲鳴をあげる感じだね。キープが大変だよ」


素は笑った。


「華が苦労するのが見たくて」


桜苑は苦笑した。


「歌詞はどうするの?」


「花崗が探してくれていて……」
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