スターレディ物語
「おはよ」


「あのスーツのイケメン、こっち見てるけど」


「知らない」


素はバッサリ言い切り、事務所の中に入って行った。


総務室に行く途中、わたしと遭遇した。


「素、おはよう。デモテープ?」


「……うん」


「預かるわよ。HOHTAさんに送るには時間があるし。花崗はまだ来ないし」


素は軽く頷き、口を開く。


「家政婦さんって、未婚者でも雇う?」


わたしは唸った。


「まぁ、お金があって、家事をする暇がない人とかは雇うんじゃないかな」


素は黙ったまま、じっと一点を見詰めていた。


「気になるなら、キチンと話し合った方がスッキリすると思うよ」


素は、じっとわたしを見つめたので、わたしは微笑む。


「勇気を出すのは大変だけどね」

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