お姫様だっこ
「じゃ、今日は帰るね。みんな本当にありがとう!!」
「おぅ。メールするぞ!」
「またね、美優♪」
「お大事になぁー」
おばぁちゃんと歩いてたら、少し先に…
もう一人。
「おじぃちゃん…」
「おじぃちゃんも心配して来たんだよ…」
あたしは涙を必死にこらえた。
でも、こらえきれずに涙がイッパイ溢れてきたんだ。
「おばぁちゃん、今日のご飯…何?」
なんでもない事を聞いてみる。
やっぱり動揺してるな…あたし。
おばぁちゃんは前を向いたまま
「あんたの好きな物にするかねぇ」
小さな背中…
この小さな体であたしの母親代わりをしてくれてるんだよね…。
ちょっとずつでいいんだよね?
前に進むのは。
無理に進もうとしなくていいんだよね?
少しずつ、頑張ろう。
家でも笑えるように。