お姫様だっこ




言わなければいいのに…


俊を信じて仲直りすればいいのに…



好きだからこそこみ上げてくる




嫉妬……。





「元カノが浮気して別れたんだったよね?…だったら……俊はマダ好きだったんだよね?好きだけど別れたんでしょ?」



「そうだけど、もう好きじゃねぇよ」



「俊は………元カノを愛してた?」



聞かなくていい事を聞いてしまった――。




「え?」


当然、驚く俊。




「答えて」



菜帆は自分が何をしたいのかわからなくなっていた…



「そりゃ、…愛してたよ。好きで好きでアタックしまくって付き合えるようになったからな。でも!!今は愛してねぇよ?菜帆しか…」

「でも!!」



俊の言葉を遮るように菜帆は言った。



「じゃぁ何で嫌いって言わないの?ハッキリ俊が言わないからあの人はしつこいんでしょ?まだ…まだ、好きな気持ちがあるんじゃないの?また好きって言われて…気持ち戻ってきたんじゃないの?」



「なに言ってんだよ!?」
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