お姫様だっこ



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菜帆が話しながら泣いてた。




「菜帆は本当に待てるの?」






ミーンミンミン!!!


………




セミの声が煩い。



窓の外を見ながら菜帆は静かにこう言った。






「俊が幸せなら菜帆も幸せだもん」






あたしは菜帆の頭を撫でながら空を見つめた。














授業中、




いつも通りに菜帆は真剣にノートを録る。






俊は学校に来ていない。




菜帆は強くなったな。




付き合い始めの頃はチョットの事で大騒ぎしてたのに…




今はちゃんと考えてあんなに落ち着いて‥



しかも俊の幸せを優先に考えてる。










あたしは何をしてあげられる?―――…
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