お姫様だっこ



キーンコーンカーンコーン……―




「美優ー!帰ろっ♪」


「うん!!」






結局



俊は学校に来なかった。



菜帆と2人で教室を出る。




ずっと携帯を気にしてる菜帆。




そりゃ気になるよね。



「連絡きてなかった?」



あたしがそう聞くと菜帆が慌てて携帯を閉じた。




「…昨日の今日だもんね。来るわけないよね!!きっと今頃、元カノと一緒にいるんだよ」



「そうなのかなぁ?あたしは俊が元カノを選ぶとは思えないんだけど?」





俊はそんな奴じゃない。



菜帆をマジで愛してるのわかるし。



俊は学校も来ないで何してるんだろう?






「あ、美優!研は!?」


「あぁ、研は拓と帰るって。たまにはイイんじゃん?♪」



「ごめんね、あたしのせいだよね?」


「はぁ?何言ってんのぉ?たまたまだよぉ。拓は研にベッタリだからね♪いつも俊にウザがられてるけど」


「ほんとだねっ」





…また菜帆が作り笑いしてるし。




本当は研には拓と帰ってってあたしが断ったんだけど。



菜帆には内緒。


気にしちゃうからね。
ま、たまにはね。
< 131 / 330 >

この作品をシェア

pagetop