お姫様だっこ
携帯にも出ない。
メールもした。
《研と話したいよ。連絡ください》
返事は来ない。
気付けばもう文化祭も終わりの時間。
研は見つからない。
「美優!?」
研……?
じゃなかった。
「智也…」
「美優ひとりなの?」
あたしは頷く。
昼間の光景を思い出してしまった。
涙が溢れ出す。
「どうした…?もしかしてあの後なにかあった?…ごめん!!俺っ…」
「智也は悪くないよ」
必死に声を出した。
智也まで傷つけたくない。
「あたしが迂闊だったの。研に嫌な思いをさせてしまって。…じゃ、あたし急いでるから。またね、智也」
「美優!おい!!」
智也の声は無視して走り出した。
早く研を見つけなきゃ…
このままじゃ駄目だ。