お姫様だっこ




それから一週間―…



研に何もしなかった。






菜帆は泣いてた。




「なんで美優ばっかり苦しまなきゃいけないの?」



そう言ってズットあたしの傍に居てくれた。



あたしは無理して笑ってた。




でも、無理な笑顔はスグばれて菜帆に怒られた。





研からも連絡は無かった。



廊下ですれ違う事もあったけど…



あたしの方を見向きもしなかった。



研の隣にいた拓はあたしを見てた。



でもスグ目をそらした。



拓はあたしを軽蔑してるに決まってる。あんな現場を見て「あんな女やめろよ」とか、研にそう言ったと思う。



あたしは最低な女。









智也とは普通に戻った。



いつも通り菜帆と鉄も入れて4人で話す。



智也は責任を感じてか、あたしのバイト帰りにいつも迎えに来てくれた。




あたしは






知らなかったんだ…



研が来てくれてた事…




あたしのバイトが終わる時間に来てくれてた事。




見えない場所で



心配して



あたしを見てくれてた事…





あたしは本当にバカだ。




智也にマタ甘えてしまった。だって…断ったけど智也は待ってるんだもん。「これぐらいさせて」って。




それに、薄暗い道を一人で帰るの怖かったから最終的には頼ってしまった。



もうすぐ冬で日が沈むのが早かったから…



一人は怖かったから…



弱い人間なんだ。




でも、毎日毎日



研の事しか考えてなかった。



家で毎日泣いてた。
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