お姫様だっこ
授業を終えてマタ1年の教室の前を通るとさっきと同じ場所に慎くんと圭くんの姿があった。
向こうもあたし達に気付いて近付いてくる。
「美優先輩♪」
「慎くん何してんのー?」
「あ、慎でいいです。くん付けは止めて下さいよぉ」
マタマタ素敵な笑顔。
見れば見るほど綺麗な顔立ち。一個下なのに大人っぽいし。背も高い。
「身長何センチ?」
「185センチです」
「高っ!」
ってか研と一緒だし。年下に見えないはずだよ。
「美優先輩ちっこいっすよね」
慎があたしを見下ろしながら言った。
「そぉ?まぁ、慎から見たら小さいよね。でも平均的な身長だよ?」
「ちっこいの可愛いっす」
「えー?可愛いくないってば!」
顔熱くなってきた…
やばい、顔赤い?
「美優先輩、顔赤いですよー?益々可愛いですね」
やっぱり…赤いんだぁ。恥ずかしいなぁ。もう…
「あ…あのさ、先輩って付けなくていいよ?なんか変な感じだから」
話を変えてみる。
「まじっすか?じゃぁ何て呼んだらいいですか?」
慎の顔がパァッて明るくなった。
表情豊かな子だなぁ。
「あ!!美優ちゃん♪…なんちゃって」
「別にいいけど?」
「はい!じゃ美優ちゃんに決定ー♪」
この子は何でこんなにキラキラしてるんだろう…こりゃモテモテだろうな。