お姫様だっこ



「ねぇ、あの子の名前なに?」



興奮気味に綾が聞いてくる。



「“すばる”だよ。」



「すばる君ね。ねぇ…美優ー?」



上目遣いであたしを見る綾。


言いたい事は分かってるよ。





「仲良くしたいんでしょ?メルアド聞いといてあげるよ」


「ありがとぉ美優!」



手を挙げて喜んでるよ…



「じゃ、コレあのテーブルに持って行って?ちょっと話してきたら?」




出来上がったコーヒーを綾に渡す。



「それを口実に顔を見せておいで♪」




昴の居るテーブルに行った綾は



あっという間にミンナと打ち解けていた。



昴とも仲良くなってる。



カウンターに戻ってくると綾は顔を真っ赤にして喜んでいた。



「喋ったらもっと好きになった!ヤバいよ美優ぅ…」



それから綾が仕事に集中出来なかったのは言うまでもない。





可愛い所あるじゃん、綾。
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