お姫様だっこ




慎たちはあたしがバイト終わるまでお店に居た。


あたしがバイトの終わりを告げると慎たちも帰って行った。



外は薄暗くなり始めている。



裏口から出ると研が迎えに来てくれていた。



「研!…」




あれ?




後ろに誰かいる…





「美優ちゃん!」



ニコニコして研の背後から出てきたのは慎だった。




研はウザそうに慎を払いのけてあたしの元へ近寄ってくる。




「ここに着いたらさぁコイツに見つかってさ。俺も待つとか言って聞かないわけよ。無視してたら勝手に待ってるし。コイツ置いて行こうぜ」



あたしの手を引いてドンドン歩き出す。




「待って下さいよぉ!研くんっ」



慎はメゲずに後ろから追いかけてくる。


犬みたい。





「うぜぇよ!ついてくんな!!」



「あははっ♪許してあげたら?ずっと犬みたいについて来てるじゃん」




「ったく…。慎!なんか奢れ」




研はやっぱり優しいね。そういう優しいとこ大好きだよ…。




「はい!!何でも奢ります♪」



慎の顔がみるみる明るくなっていく。




途中でコンビニに入った。



研はコーラ、あたしはコーヒーを奢って貰った。
< 282 / 330 >

この作品をシェア

pagetop