お姫様だっこ
慎たちはあたしがバイト終わるまでお店に居た。
あたしがバイトの終わりを告げると慎たちも帰って行った。
外は薄暗くなり始めている。
裏口から出ると研が迎えに来てくれていた。
「研!…」
あれ?
後ろに誰かいる…
「美優ちゃん!」
ニコニコして研の背後から出てきたのは慎だった。
研はウザそうに慎を払いのけてあたしの元へ近寄ってくる。
「ここに着いたらさぁコイツに見つかってさ。俺も待つとか言って聞かないわけよ。無視してたら勝手に待ってるし。コイツ置いて行こうぜ」
あたしの手を引いてドンドン歩き出す。
「待って下さいよぉ!研くんっ」
慎はメゲずに後ろから追いかけてくる。
犬みたい。
「うぜぇよ!ついてくんな!!」
「あははっ♪許してあげたら?ずっと犬みたいについて来てるじゃん」
「ったく…。慎!なんか奢れ」
研はやっぱり優しいね。そういう優しいとこ大好きだよ…。
「はい!!何でも奢ります♪」
慎の顔がみるみる明るくなっていく。
途中でコンビニに入った。
研はコーラ、あたしはコーヒーを奢って貰った。