お姫様だっこ
ムッとしてる研を見ないようにしてあたしは慎に話し続ける。
「さっきお店で話しかけてきた人覚えてる?」
少し考えた後、そういえばというような慎の顔。
「アヤさんですよね?まじ可愛かったですよ。美優ちゃんには負けるけど」
1人照れながら顔を赤くしてる慎に研が蹴りを入れた。
「つまり、綾が昴を好きなんだろ?」
さすが研。理解が早いね。
すると、慎が目をまん丸にして停止してる。
「おーい!慎?」
あたしが呼びかけると慎は動き出した。
「まじっすか!?え…でも今日初めて会いましたよね?」
「一目惚れしたんだって♪」
「一目惚れ…気持ち分かりますねぇー…‥俺、協力します!!」
一瞬、慎が切ない表情になった気がした。
「ほんと?じゃ宜しく!昴には絶対秘密よ?バラしたら絶交ね」
慎を睨みつけると体がビクッとなって
「絶対言いません。約束守ります。任せて下さい!」
そう意気込んで返事してくれた。
慎は信じれる気がしたんだ。
「じゃ俺帰りますね。邪魔してスイマセンでした!」
手を振りながら帰って行く慎。
その後ろ姿が寂しそうに見えたのはあたしだけ…?
「アイツいっつも元気だな。っつぅか何しに来たんだって感じだし」