お姫様だっこ



ムッとしてる研を見ないようにしてあたしは慎に話し続ける。



「さっきお店で話しかけてきた人覚えてる?」



少し考えた後、そういえばというような慎の顔。


「アヤさんですよね?まじ可愛かったですよ。美優ちゃんには負けるけど」



1人照れながら顔を赤くしてる慎に研が蹴りを入れた。







「つまり、綾が昴を好きなんだろ?」



さすが研。理解が早いね。




すると、慎が目をまん丸にして停止してる。




「おーい!慎?」



あたしが呼びかけると慎は動き出した。



「まじっすか!?え…でも今日初めて会いましたよね?」



「一目惚れしたんだって♪」




「一目惚れ…気持ち分かりますねぇー…‥俺、協力します!!」




一瞬、慎が切ない表情になった気がした。




「ほんと?じゃ宜しく!昴には絶対秘密よ?バラしたら絶交ね」




慎を睨みつけると体がビクッとなって




「絶対言いません。約束守ります。任せて下さい!」




そう意気込んで返事してくれた。




慎は信じれる気がしたんだ。





「じゃ俺帰りますね。邪魔してスイマセンでした!」



手を振りながら帰って行く慎。



その後ろ姿が寂しそうに見えたのはあたしだけ…?




「アイツいっつも元気だな。っつぅか何しに来たんだって感じだし」
< 284 / 330 >

この作品をシェア

pagetop