お姫様だっこ




刑務所―――。



父親はそこに居た。



あたしが聞いていた事はおばあちゃん達は気付いてなかった。



小さい心で受け止めるのには重すぎる事実―。




パパは悪い事したんだぁ。そっかぁ。だから帰ってこないんだ。でも、美優が居るのにどして悪い事したの?――――



小さい体を震わせながら考えてたよ。




それからは自分には親は存在しないって考えるようにした。


「おじいちゃんとおばあちゃんが親なんだ」って。


その時は…、これから待ち受ける辛い現実をまだ想像も出来なかった。



こんなに孤独を味わうなんて考えてなかったよ。
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