お姫様だっこ




慎の温もりに身を委ねそうになる。



でも、これじゃダメだ。



智也みたいに傷つけてしまう。



ハッキリしなきゃ…


甘えてばかりじゃダメだ。しかも、慎になんて。




あたしは、そっと慎から離れた。



「美優ちゃん…?」



心配そうに慎があたしの顔を覗き込んできた。




涙を手で拭って、しっかりと慎の目を見て話す。




「慎…ごめんね?慎の気持ち気付いてあげれなくて。あたし傷つけてたね?慎が彼女出来なかったのはあたしのせいだね?」



また泣きそうで言葉に詰まってしまう…




「違うよ!?俺が勝手に美優ちゃんを好きでいたんです!!美優ちゃんのせいじゃない!」



優しい慎を……



今から更に傷つけます。



許してくれなくていいからね?
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