お姫様だっこ
「ごめんなさい。あたしは慎の気持ちに答えられない。……研が好き。どうしても研が好き。今の研の行動は理解できないけど…きっと研なりに考えがあると思うの。そう信じてるの」
「美優ちゃん……っっでも!!」
「慎じゃダメなの!!」
傷つけた。
慎を傷つけた…。
ごめん、慎。
また一人、あたしの傍から居なくなる人が増えたね…
「はぁっ…」
慎の溜め息が聞こえた。
早く何処か行っていいよ。こんなあたしを置いて行っていいよ。
でも…慎はあたしの思う事とは違う行動を取った。
「ごめんなさい……」
えっ!?
驚いた。なんで慎が謝ってんの?
「俺、美優ちゃんに言ってない事があります」
頭を下げたまま慎が言った。
「どういうこと?」