愛されたかった悪女
チャイムを押すとすぐにジョンがドアを開けてくれた。


「ただいま。お店は売ってくれなくて、交渉していたら遅くなってしまったわ」


「ああ……」


いつものジョンの明るい表情はなく、私をじっと見つめている。


ジョンは私から抱えていた荷物を預かると口を開いた。


「戻って来てくれてありがとう……エステル」


潤んだ瞳が向けられ、私はジョンに抱きしめられた。


「ジョン……」


「……店を出た時、もう帰って来ないつもりだった?」


「えっ?」


私は驚いて顔を上げ、ジョンの潤んだ瞳を見た。


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